英検S-CBTのメリットとデメリットが知りたい!
コンピューター相手だと難しくないのかな?
英検は英検S-CBTという新しい受験スタイルが2020年より追加され、受験回数が増えました。
しかし、不安を訴える声が聞こえてくるのも事実です。
「英検S-CBTってどうなの?」
「コンピューターテストって難しそう……」
また「パソコンを使って受験する」と聞いて「英検S-CBTは自宅のパソコンから受験できる」と誤解する方もいるようです。
英検S-CBT試験は、協会が指定した会場で、現地にあるパソコンを使って試験を受けます。
自宅だと、ずるいことができてしまいますよね。
そこで今回は、次の3点を詳しくお伝えいたします!
- 英検S-CBTをすでに2回受験した、私の教え子(友人の息子)Tくんの体験談
- 英検S-CBTのデメリット
- 英検S-CBTが向いているタイプ
英検S-CBTの受験を検討されている方の参考になりますように!
英検S-CBTはデメリットなし?【2回連続で英検S-CBTを受験】
英検S-CBTの第1回、第2回両方を、私の教え子であり友人の息子Tくんが受験しました。
残念ながら2回とも不合格でしたが、少しずつ点数が上がっているのを確認できるのでモチベーションアップにつながっているようです。
英検S-CBTを2回連続で受けた理由
もちろん1回目が不合格だったからですが、その後、2回目も英検S-CBTを積極的に受験したのには理由があります。
【理由①】英検勉強のモチベーションが下がる前に受験できる
英検S-CBTは、同じ英検第2回でも1か月ほど早くから受験日が設定されているため、これまでの勉強してきたモチベーションを持続することができます。
実際、Tくんは英検S-CBTの第1回を2021年6月21日に受験、その後2回目の受験を2021年8月9日に受けることができました。
従来型英検の場合、次の英検まで2か月以上あいてしまいますよね。
その間にモチベーションが下がったり、勉強したことを忘れてしまったりと、障害があります。
しかし英検S-CBTなら、英語学習意識が高いまま次に向けて挑戦できます。
逆に「もっと時間をかけて勉強したい」という方には、同じ第2回でも8月~11月までの幅があるので調整しながら申し込みができます。
学校の定期テストや模試、部活の試合などと調整しやすいのは魅力ですね!
「チャンスがある限り何度でも挑戦したい」方には、英検S-CBTはピッタリの受験方法です。
【理由②】家族にとっても都合が良い
英検S-CBTは事前に余裕をもって場所が把握できるうえに、希望する会場を申し込み前に確認できます。
電車やバスを使ったほうが行きやすい場所なのか、または車で駐車しやすい場所なのか、事前に選べることで余裕をもって当日を迎えることができます。
付き添う親も責任重大。当日は遅刻しないようにスムーズに送迎したいですよね。
応援する家族にとっても大きなメリットですね。
【理由③】スピーキングの練習がしやすい
英検S-CBTの解答用紙は、以下の2点が従来型英検と違います。
- 問題用紙がパソコン画面に表示されること
- 二次試験にあたるスピーキングテストが試験の最初に行われ、ヘッドホンをしてマイクで音声を吹き込むこと
SNSなどでは、「周りの声がうるさくて集中できない」や「スピーキングがうまくできなかった」という意見が出ているようですが、Tくんからそういった不満は一切ありませんでした。
ボリュームを調整できたので、僕は気になりませんでした。
むしろ、慣れれば(慣れるほど受験してほしくないですが)吹き込み式の方がいい、とのこと!
理由は、自宅でスピーキングの練習ができたからです。
従来型面接ではイレギュラーな質問をされるようですが、英検S-CBTの吹き込み式では音声に従って吹き込んでいくだけです。
過去問を利用して、自宅でじっくり練習が出来たことで、3回目のスピーキングテストでは高得点を取得できました。
それくらい、スピーキングは自宅で練習がしやすかったとのことです。
なお、Tくんの英検S-CBT体験談はこちらにまとめました。
英検S-CBTの受験を気に入っている理由
従来型英検の会場の多くは、高校や大学を貸し切って開催されます。
受験票が手元に届くまで、どこの会場かもわからず、不安が続きます。
ところが、英検S-CBTの会場は選べるので「前回と同じにしよう」という会場選択も可能です。
自宅からの距離感や、トイレの場所や会場の雰囲気がわかっていることは、各段に安心でき、余裕をもって試験に挑むことができました。
すべてコンピューターテストのため、室内の気温や湿度、調光や防音なども完備されているうえ、椅子の座り心地がよかったことも大きな理由です。
また、Tくんが受験した当時(2021年)は、従来型の英検よりもS-CBTの方が受験料が安価でした。
2024年に値上げになり(+700円)、現在の検定料は次の通りです。
以上の理由から、英検S-CBTはとても魅力的な試験でした。
しかし、実はデメリットと感じることもあります。
これからお伝えしていきますね。
英検S-CBTのデメリット!大きな負担の2つの原因
従来型英検では、1次試験と2次試験が別日で設定されています。
2次試験は対面のスピーキングの試験で、英検の代名詞や風物詩のようでもありますよね。
では、コンピューター試験の英検S-CBTはどうのような仕組みになっているのでしょうか。
英検S-CBTは試験時間が長い
英検S-CBTのメリットといえる1回で4技能テストが受けられる反面、必然的に試験時間が長くなります。
スピーキング試験は短い時間とはいえ、吹き込みの音声確認などを含めると30~45分ほどかかるのです。
スピーキングテストに加え、従来型と同じRLWテストを休憩なしで続けて行うため、試験時間をとても長く感じます。
テストが始まったらトイレには行けません。
トイレに立った地点で、退室とみなされてしまいます。
英検S-CBTの準1級になると、9時に着席したのち約3時間後まで一切動けないことになります。
試験時間が長いと言われているTOEFLでも途中10分の休憩が設けられているので、英検S-CBTは過酷な長時間テストといっても過言ではなさそうですね。
勉強量が多い
従来型英検は1次試験から2次試験までの間が約1か月あるので、スピーキングの試験対策を1か月短期集中して勉強する受験者がほとんどではないでしょうか?
書店で「10日でできる2次試験!」や「7日間完成」など、期間集中型テキストを多く見かけるのも納得ですよね。
しかし、英検S-CBTはスピーキングも同時にテストを受けるため、RLWの3技能と並行してスピーキング試験の勉強をしなくてはなりません。
ぼくはこの4技能の勉強量が多くて、とても大変でした。
でも繰り返してスピーキングの練習をしていると、だんだん慣れてきてパターンを覚えます。
だから、スピーキングが上達したように感じました。
従来型なら1次試験合格するまでスピーキングの勉強をしなくてよいので、4技能同時勉強は勉強量が多い点はデメリットと感じますね。
ちなみに、もしライティングで0点を取ってしまったらどうなるのかは、こちらの記事に詳しく書きました。
英検S-CBTの受験が向いている人はどんな人?
デメリットを考えると、英検S-CBTを受験することをためらいそうになりますが、そうでもありません!
実際、Tくんは英検S-CBTの受験の方がメリットが大きいと考えて繰り返し受験しています。
では、どのような方に英検S-CBTの受験が向いているのでしょうか?
何度も受験チャンスが欲しい人
従来型英検の場合は年3回ですが、英検S-CBTを加えると年9回受験できます。
あと一歩で合格点という人は、チャンスが多いほど合格の可能性も高まりますよね。
従来型英検の前に「英検S-CBTで問題やスピーキングに慣れておきたい」という方も、英検S-CBTを活用できます。
実際Tくんも「従来型英検第3回に向けて、英検S-CBTで練習ができた」と言っていました。
大きい会場に緊張してしまう人
英検S-CBTは、駅前など交通の便のよいオフィスビルの一室で受験できます。
パソコンが40~50台の会場がほとんどなので、従来型英検のように駅のプラットホームに英検受験生があふれたり、英検渋滞が発生したりすることもありません。
待ち時間も少なく、スムーズに入室退室できます。
申し込み前に場所が確認できることもメリットですね。
スピーキングに自信がある人
従来型の2次面接のスピーキングテストは、面接官と対面して行われます。
面接官から質問されたことに対して、会話をする場面もあります。
万が一質問がよく聞こえなかったときは「Once more, please」や「Would you say that again?」などと伝え、そのやりとりもアティチュード(採点項目)に加味されます。
しかし英検S-CBTではコンピューター相手なので、そのようなやり取りはありません。
質問に対する回答だけで、点数がついてしまいます。
スピーキングを正確に解答できる自信のある人が、吹き込み式テストに向いていると言えるでしょう。
再受験の人
大学入試で外部資格試験を導入する大学が増えてきました。
英検自体に有効期限はありませんが、大学側が「取得から2年以内」など条件を提示している場合があるので要注意です。
たとえば、高校1年生の春にその級に合格していても大学受験時には利用できない資格となってしまうため、再度受験しなければなりません。
そのような場合「もうひとつ上の級を受験して合格する自信はないけど、再度同じ級なら自信がある」人には、英検S-CBTの受験はおすすめです。
希望大学が英検S-CBTも有効かどうか念のため調べましょうね!
英検S-CBTのメリット・デメリットのまとめ
英検S-CBTのデメリットとメリットを体験をもとにお伝えしてきました。
【デメリット】
- 試験時間が長い
- 勉強量が多い
【メリット】
- 受験スケジュールが立てやすい
- スピーキングの練習がしやすい
- 会場が選べて快適
- 受験料が安い
デメリットをまとめるとシンプルな内容ですが、負担を大きく感じるポイントであることは事実ですね。
英検S-CBTはスケジュールが立てやすいので、条件が合えばチャレンジしてみる価値はありますよ!
読者様が英検合格へ少しでも近づけるように、お祈りしています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
たなえりです