実は最近「仕事辞めたい」と言われて……。
なんてアドバイスしたらいいのかわからなくて困っています。
部下や同僚、友人、はたまた家族から「仕事を辞めたい」と相談されることってありますよね。
しかし「力にはなってあげたいけど、自分の一言で相手の人生に影響を与えてしまったらどうしよう」
そう考えると、どんな意見を伝えるべきか悩んでしまいませんか?
実は私も、夫や国内外の友人から相談されたことがあります。
相手の背中を押して感謝されたこともあれば、かえって傷つけてしまったことも……。
この記事を読むあなたには私のように失敗してほしくありません。
そこで、相談に対するベストなアドバイスをまとめてみました。
仕事を辞めたいと言われた側の立場に合わせて「取るべきアクション」をまとめていますので、自分にできることを一緒に考えてみましょう。
「仕事辞めたい」と言われたら?アドバイスを立場別に紹介
仕事を辞めたいと思っている人は、あなたに対してなんらかのアドバイスやサポートを求めています。
しかし、あなたが置かれる立場によって、相手が求めることも変わるんです。
そこで、「自分の立場ならどんな対応をすべきか」をまずはチェックしましょう。
アドバイスする前に意識すること
立場にかかわらず、辞めたいと相談されたら共通して意識すべきこともあります。
それがこちら。
- 相手の話を親身に聞くこと
- 相手の状況や気持ちを整理してあげること
「仕事を辞めたいとこの人に話して本当に大丈夫かな」
「自分の気持ちを理解してくれるかな」
相手はこんな風に不安を抱えながら声をかけていますので、あなたの態度もよく観察しているんです。
それでも、あなたに話を聞いてほしいと思って勇気を出して相談してくれています。
そのため、まずは安心させて相手が話しやすいような雰囲気を作りましょう!
相手の話を聞ける状態になったら、なぜ「辞めたい」と思っているのかを探りつつ、本人が置かれている状況や原因を整理します。
「要因は何個もあるのか」「ひとつの問題が解消したら、仕事を続けられるのか」など、客観的に聞ける状況だからこそ、見えてくるものもきっとあるはずです。
状況を整理するときには、相手の話を冷静に聞くよう心がけましょう。
親身になりすぎてしまうと、相手の気持ちをつい優先してしまい、状況を判断しにくくなってしまいます。
上司が取るべき対応
最低限のポイントを踏まえて、立場別のアドバイスを見てみましょう。
まずは「上司」が部下から辞めたいと相談された場合です。
そもそも部下に突然仕事をやめたいと言われたら、こんな気持ちになりませんか?
- 自分の指導方法に何か問題があったのかもしれない、自分のせいだ
- 部下がいなくなったら純粋に寂しい
- 会社の状況を考えても辞められると困る!できれば引き留めたい
上司の視点では、部下の問題を取り除くことよりも「自分や会社の未来」をつい考えてしまいます。
しかし、大切なのは部下の悩みを解消し、納得できる選択を本人ができるようサポートしてあげることです。
たとえば、部下が仕事を辞めたいと思う背景には、こんなことが隠れているかもしれません。
【部下が抱える気持ちの例】
- 自分だけ仕事量が多い
- 自分の成果を正しく評価してもらえない
- 同僚や上司との関係がうまくいっていない
- 仕事が楽しくない・会社の方針に共感できない
- ほかにやりたいことが見つかった
- 別の仕事や会社に興味がわいてきた
今の環境に対して不満をため込んでいるなら、相手の要望を聞き取り、必要に応じて改善を図る必要があるでしょう。
場合によっては、ほかの社員にもヒアリングやアンケート調査をおこなうのも有効です。
意見を聞くことで部下だけでなくほかのメンバーの不満解消にもつながり、働きやすい職場環境に変えられるかもしれません。
職場環境が改善されれば「もう少しここで頑張ってみてもいいかも」と思ってくれる可能性も高まります。
一方、キャリアアップのために部下が退職を考えているなら、引き留めるのは逆効果です。
「君ならやっていけるよ」など、部下の今後を応援してあげられるようなアドバイスをしましょう。
同僚が取るべき対応
次に「同僚」の立場なら、どうしたらよいでしょうか。
相手にとって同僚は、自分の状況や心情を理解してくれる貴重な存在です。
しかし、一方で話すことによるリスクも発生します。
たとえば「この人に話したせいで仕事を辞めようか悩んでいることが上司にバレた」など情報が漏れる危険もありますよね。
そのため、まずは相談相手としてあなたを選んでくれたことに対して「ありがとう」と伝えましょう。
また、職場や業務状況などを理解してくれている同僚に求めているのは「同意」です。
いつも一緒に働いている同僚だからこそ「悩みを受け止めて自分の選択も肯定してくれるだろう」と相手は思っています。
でも、仲の良い同僚が辞めたらとてもつらいです。
あなたの気持ちとしては、相手を引き留めたい思いのほうが強いはずです。
しかし、何度も悩んでようやく相手はあなたに相談してくれています。
そのため、同僚の場合は相手を否定せず、言い分やこれからの予定をじっくりと聞き出し、相手が納得して前に進めるように最終判断ができる勇気を与えましょう。
「あなたが本当にやりたいのは〇〇なんだね」など、相手の意見を確認しながら話を聞いてあげるのがおすすめ!
「私(僕)ってこれがやりたかったんだ(嫌だったんだ)」と決断に自信を持つきっかけを与えられますよ。
友人が取るべき対応
「友人」は、会社の外側から相手の状況を判断できる存在です。
仕事を辞めたいと相談されたとき、友人はどんな状態でしたか?
- 困っているように見えた
- 疲れきっていて、助けを求めているように見えた
- 冷静に物事を考えられていないような状態だった
- スッキリとした表情をしていた
- 明るく前向きに見えた
ポジティブな印象を受けたなら、相手の相談を明るく受け止めて、今後の成功を祈るような返事をしてあげましょう。
問題は、ネガティブな印象の場合です。
相手がひどく落ち込んでいたり、疲れきっていたりする場合には「休息」を提案してあげましょう。
相手が好きなことをできる時間を作り、友人ならではの方法で息抜きを手伝います。
たとえば、こんなことはいかがでしょうか?
- 日帰りや2泊程度の短い旅行に出かける
- テーマパークの絶叫マシンに乗ってストレスを発散する
- 泣ける映画を見てたまった感情を吐き出してもらう
- マッサージやリラクゼーションなど癒やしの場所へ行く
一度仕事から離れて休息することで気分もスッキリし、相手も「自分は本当に辞めるべきなのか」と冷静に考えられるようになります。
ただし、会話も難しいほどに精神状態が悪化している場合は、病院など専門機関での受診を提案することも必要です!
追い詰められてギリギリの状態になっているときは、短い休息では足りません。
場合によっては病院にも付き添ってあげて、長い期間をかけてサポートしてあげましょう。
アドバイスする際は自分にも社会経験があるため「自分はこうだったから辞めたほうがいいよ」などと意見を伝えたくなるかもしれません。
しかし、あなたの持論が相手にとって正しいとは限りません。
あくまでも相手自身で答えを出せるように、友人としてできるいつものフォローを心がけましょう。
家族が取るべき対応
最後に「家族」から仕事を辞めたいと相談された場合です。
家族は一番身近な存在でありながら、一番相談をしにくい相手でもあります。
というのも、相手は家族に相談することでいろいろな未来を想定してしまうんです。
- 自分が仕事を辞めたら、家族に迷惑がかかる
- これからのお金や生活費はどうしよう?
- 仕事を辞めるなんて言ったら、怒られそうだな
- 自分の気持ちを分かってくれないかも
こんな風に、相手はマイナスの状況ばかり想定しています。
そのため、家族から相談されたときは、頭ごなしに否定することだけは避けましょう。
もちろん、今後の生活やお金のことが心配になってしまいますよね。
しかし、続けたくもない仕事をずっと続けさせて大切な家族が体を壊してしまったら……。
お金ではけっして補えない「家族そのもの」を失ってしまうことにつながりかねません。
そのため、家族に求められているのは「逃げ道」を作ってあげること。
以下のような言葉をかけて、「今の状況から逃げてもいいんだよ」と伝えてあげると、相手も安心して自分と向き合えますよ。
- あなたにできる仕事はほかにもある
- サポートはできる限りするから、ゆっくり休んでもいいよ
- そんなつらい思いをしてまで続ける必要はないんじゃない?
- あなたが我慢して働いている姿を見ると、私(僕)も悲しいよ
家族のことを気にせず自分で答えを出せるように、やさしく見守ってあげましょう。
仕事を辞めたいと自分に相談してくる理由は?2つのパターンを解説
そもそも、なぜ相手はあなたに相談してきているのでしょうか?
一般的に考えられる要因は、2つです。
- 仕事に対する不満を聞いてほしい
- 自分の決断に対して、背中を押してほしい
それぞれの要因について、ここでは解説します。
仕事に対する不満を聞いてほしい
まず、仕事や会社に対してなんらかの不満を抱えているケースです。
相手は仕事を辞めたいほど、今の状況に苦しんでいます。
そのため、自分の言い分を理解してくれそうなあなたを選んで相談しているんです。
ただし、なかには「辞めたい」が口癖になっている人もいます。
「相手が話を聞いてくれるだけで満足」という人の場合は、アドバイスをしても行動には移しません。
なので、具体的に「こうしてみたら?」「上司にこう言ってみたら?」などと伝える必要はなく、ただ話を聞いてあげるだけで大丈夫です。
本気で辞めようと思っていてあなたに背中を押してほしい
一方で、もう辞めることを決めたうえで相談してくる人がいます。
このタイプの場合は、「辞めたい」という言葉の中に「辞めようと思っているけどいいよね?」といった意味が含まれています。
辞める気持ちのほうが強いけど、一人では決められないというイメージです。
自分の意見を肯定してもらうことで、行動に移す踏ん切りがつきます。
そのため、辞めないほうがいいよと引き留めると「この人は分かってくれない」と相手が傷つくかもしれません。
もちろん、客観的に判断して辞めるべきではないと感じるなら冷静に意見を伝えてみるのもアリです。
相手の相談内容を聞いて応援できるなら、素直に背中を押してあげましょう。
「辞めたい」と相談されたらこんな対応はNG!体験談とともに紹介
最後に「仕事を辞めたい」と相談されたときのNG対応について、実際の失敗談とともに紹介します。
相手に寄り添っているつもりで実際にはできていない、なんてことがないよう注意しましょう。
相手が求めていることをよく理解していない
まずは、相手が相談してきた目的を誤解して受け取ってしまう場合です。
相手との関係によって、求めてくる内容は異なります。
しかし、よく理解せずにアドバイスをしてしまうとトラブルに発展しかねません。
私が友人から辞めたいと相談されたとき、自分の経験からできるアドバイスを全部しました。
しかし、実際に相手が求めていたのは「転職先候補を探してほしい」だったんです!
「辞めたいと言えば、一緒に仕事を探してくれると思った」「説明会や転職イベントに付き添ってくれると思った」など、想像と違うことが求められていました。
これでは、どんなに丁寧にアドバイスをしても相手の気持ちは改善されません。
「何をしたらいい?」と相手に聞きにくい場合もあるかもしれませんが、間違った提案をするよりは、思いきって自分にできることを聞いてしまうほうがよいでしょう。
「私に何かできることはある?」と先に言えたらよかったな〜と今でも思います。
「忙しい」を理由に話を聞く場を設けない
次に上司や同僚に多いパターンとして、相手の話を聞かないことが挙げられます。
忙しい環境で相手の相談を聞く場を設けるのは、なかなか難しいかもしれません。
しかし先延ばしにすると、どんどんと相手は追い詰められてしまいます。
私も忙しかったときは、親身になって聞いてあげられないことがありました……。
まずは相手の顔をきちんと見て、話を聞く姿勢を見せるなど、話しやすい雰囲気を作っておくのが大切です。
相手にただ同調するだけ
最後に、ただ相手の意見に同調するだけの姿勢です。
友人や家族の場合は共感したり、肯定したりするのが基本ですが、上司や同僚の場合には危険もあります。
たとえば、社内の人間関係に対する不満の場合は、同調するとあなたも同じ意見を持った仲間として認識されるでしょう。
- あの人が苦手で同じ空間にいたくない
- あの人と同じチームだと仕事のやる気が出ない
つまり、相手からすれば「上司や同僚のあの人も言ってたから自分の意見は正しい」となり、ほかのメンバーにも不満や悪口をこぼすようになります。
そうなれば、職場環境の悪化につながるでしょう。
私もつい「そうだよね〜分かる〜」と言ってしまうことがありました……。
悩みに共感してもらえると相手は嬉しいですが、問題は解決しないんですよね。
そのため、あくまでも本人が自分の意志で今後を決められるよう、気持ちを整理してあげるスタンスを忘れないようにしましょう。
仕事を辞めたいと言われたら相手をとことん理解するのが得策!:まとめ
「仕事を辞めたい」と相談されたときの対処法について解説しました。
- 相手の話を聞いて状況を整理する
- 自分の立場によって、すべき対応は変わる
- 間違った対応をすると相手を傷つけたり、問題を悪化させたりする可能性がある
- 辞めるかどうかを決めるのはあなたではなく、相談相手自身
仕事を辞めたいと相談されたときは、とにかく話を聞いてあげましょう。
また「どんな決断をしても応援するよ」と味方になってあげることも大切です。
話を聞くときはエネルギーも使いますし、相手への気遣いも求められます。
しかし、問題が解決してしまえば、相手は悩んでいたことすら忘れてしまうんです。
私もいろいろと相談を受けましたが、うまくいった人からは事後報告すらなかったです(笑)
そのくらい相手にとって過去の悩みは小さなものに変わっていくんですよ。
なので、あなたも重く受け止めすぎず、相手の気持ちを整理して自己判断できるようあたたかくサポートしてあげましょう。
参考として、海外赴任が決まり不安になっている人の心境についてまとめた記事があります。
海外赴任に限らず、人生の分岐点で悩んでいる人の心理について理解できますので、よかったら合わせて読んでみてくださいね。
あなたの少しでも気持ちが軽くなっていたら、嬉しいです。
ぜひ相手が笑顔で未来を迎えられるよう応援してあげてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
たなえりです