海外赴任って、一見キラキラして見えるけど実際はどうなの?
知らない土地で暮らすなんて、思いもよらない「つらさ」がありそうで不安です。
きらびやかに見える海外赴任ですが、いざスタートしてみると大変さやつらさが出てきます。
今回は、私や海外赴任した友人が実際に体験したつらかったことや当時思ったこと、そしてどうやって乗り越えたかをご紹介します。
意外に海外赴任だけではなく、日本国内でも使えるヒントがあるかもしれません。
仕事で「報連相」がない場合はどうする?
日本でも新しい職場は独自のルールや人間関係など、慣れるまでは大変なものです。
それが外国となるとなおさらですよね。
日本の社会人なら常識として、新入社員のころに叩き込まれる報連相(報告・連絡・相談)。
伝える手間はありますが、仕事の上でトラブルを防いだり、何かトラブルが起きたりした時の対処に役立ちます。
しかし、外国に「報連相」の概念はありません。
よく聞くと、なんと外国ではこのような「お仕事の基礎常識」みたいなものは存在しないようなのです。
悪気があるのではなく「自分の経験で十分できるので、自分で考えて解決したい」「忙しいのだから些細なことで時間を取りたくない」など、仕事は自分の裁量でするものだというスタイルが多いようでした。
「報連相がない」場面での対処法
友人が外資系企業でとあるプロジェクトリーダーになった時、チームメンバーからの「報連相」がまったくなくて最初は混乱したそうです。
フィリピン人とアメリカ人をミックスした環境で働いていましたが、どちらも「我が道を行く」報連相なしタイプでした。(お国柄というよりも個人差だと言っていました……苦笑)
友人はコミュニケーションを取りながら、さりげなくスパイのように(苦笑)進捗を確認していましたが、やはりリアルタイムに報告が欲しい!
あまり探り過ぎても怪しいし、メンバーを信頼していないと誤解されても困ります。
そこで、ちょっとした報告をくれた際にすごく褒めることにしました。
そして、あるメンバーの窮地でヘルプ要請に応じたときに、全メンバーの前で大絶賛します。
あなたが前から情報共有してくれていたからすぐ手配できた!
事前報告がなかったらこんなにうまくはいかなかった。
すばらしい経験をありがとう!
これをきっかけに、チーム内では情報共有が当たり前になりました。
窮地に陥る前に軌道修正ができたり、その対応によってチームが上層部に認知されたりするチャンスまで生みました。
「ちゃんと報連相しておけば、万が一のときに助けてもらえる」
「報連相すれば自分にいいことがある」
体験することで、「報連相のある」環境を作り出すことに成功したんですね。
実はこれ、私が以前一緒に働いていた日本人上司がやってたことをそのままパクっただけなの!
人間、叱られるよりも褒められるほうが嬉しいのは万国共通です。
これは日本でもかなり使えそうだと思いました!
日本人が海外で最高の仕事をする方法 ― スキルよりも大切なもの
海外で現地に溶け込み楽しみながら成功する方法が、著者:糸木公廣さんの海外赴任体験から語られています。
失敗や挫折を乗り越え、最高な仕事をするためのコツ、現地でのコミュニケーションに悩んでいる時のヒントになりますよ。
現地の日本人コミュニティの狭さに悩むかも?
ある程度の日本人が住んでいる場所には、日本人会(集団)がある場合があります。
駐在員の妻が集まる婦人会や、県人会、同年代会や趣味の会など。
日本語で気軽に話せて嬉しい反面、その狭い社会にハマってしまうとちょっと面倒なことも起こりそうですよね。
「現地の日本人コミュニティ」への対処法
正解はありませんが、最終的には「自分がどうしたいか」で判断すべきだと思います。
駐在員の妻なら、少し面倒でも適度に関わっておくことをおすすめします。
子どもの学校のことや夫の会社情報など、有益な情報を聞けるからです。
海外に長期滞在する場合は、日本語で話せる知人がいると心強いですよ。
ただ、どこにいても人間関係の基本である「Give&Take」を守ること。
誰かから「奪う一方」「与える一方」になってしまうと、良い関係も壊れてしまうので注意しましょう。
これは日本でも外国でも同じことが言えますよね。
以前、とある日本人コミュニティである人に変に絡まれた経験もありましたが、よい距離感を保てる方にも出会えています。
特に渡米して間もない頃は、日本語で話せるのがうれしかった!
その感謝からボランティア活動も積極的に参加しました。
そこで知り合ったイギリス・台湾の方とは、今でも連絡を取り合う仲です。
その人と良い関係でいれる距離がどのぐらいなのかを見つけるのが、私なりの対処のコツです!
言いたいことが伝わらない「言葉の壁」問題
どれだけ現地の言葉ができても、相手と日本語で話せても、育ってきた文化がそもそも違います。
言いたいことを全部伝えることは、他人である以上100%は無理なものです。
ある意味、日本人同士でも言えますよね。
反対にこちらも、相手が伝えたいことを理解するには時間がかかると考えましょう。
言いたいことが伝わらなくて、もどかしい時の対処法
単に言語だけの問題なら、「必要最低限の現地の言葉を覚えること」が唯一の解決法です。
残念ながら魔法はありませんが、ちょっとしたテクはあります。
それは、とにかくどんな言語でも「相手に伝えたい気持ちを伝える」こと。
自分の中で「本当に伝えたいこと」を明確にしてから言葉にすることで、多少乱暴でも伝えたいことに焦点が絞れます。
- これが欲しい!
- こうしたい!
- 嬉しかった!
- ありがとう!
単純な自分のエモーションを伝えることは、相手に何らかの印象を残します。
それがきっかけで、新しい人間関係に発展するかもしれません。
旅行先のスペインで、行き先の違うバスに乗ってしまった時には慌てました~。
行きたい場所の名前を必死で言い続けたら、運転手さんが乗り換え場所で降ろしてくれました。なぜか隣のおばあさんが運転手さんに交渉してくれたようで、料金そのままで乗せてくれました。
私の必死さが伝わったみたい。要は気持ちです!
でも一方で、言葉がわかればスムーズにコミュニケーションが取れて、あれほど焦らなくてもよかっただろうとも思いました。
あらためて言葉の重要性を認識した出来事でもあります。
欲しいものが手に入らないつらさ
「海外で生活する」ことは、欲しいものにいつでも手が届いた日本と違って、様々な苦労やストレスも出てくるはずです。
特に住み始めた頃は、必要なものが売っている場所さえわからないことがあります。
モノだけでなく食べ物にも言えることで、日本なら気軽に身近で手に入る食材も、海外では夢にまで見る存在になることも。
私は日本の「100均」が恋しくて仕方ありません。アメリカにはありますが、私の住んでいる地域にはまだないんです。
「欲しいものが簡単に手に入らない」時の対処法
郷に入っては郷に従え!ココのいいとこ探しする
ここは日本ではない国です。
日本のアレが食べたい・欲しいけど手に入らないと悲しんでも解決しません。
ココにはココの良さがあり、この環境で最大限楽しもう!という方向に考えを変えました。
自分の欲求を、その国の「いいとこ探し」に変換してみたのです。
今はいろんな情報がネットに載っています。
ただ、現地の情報は日本語で検索するよりも英語(または現地語)のほうが多く収集できます。
言葉がわからなくても大丈夫。
気になるお店の口コミを見つけたら翻訳ソフトにコピペすれば、ざっくりと欲しい情報が手に入ります。
スペインでは、ごく普通のローカルなスペインバルで飲むコーヒーがオススメ!大手フランチャイズよりも美味しくて格安です。中にはちょっとした「おまけ」が付いてくるバルもあるんですよ~。
タイに住んでいる友人情報では、現地に日本人が多いので日本語でもかなりの情報が集められるのだそう。
それでも日本の食材が恋しくてたまらない!そんなときは?
「あんこが食べたい!」
「ラーメンを食べないと死にそう!」
幸い私の住まいの近くには日本食材店がありますが、日本食レストランや日本食材店がない地域だってあります。
アメリカでも「あんこ」はほとんど見かけません。
ないとなると、余計にほしくなるのが人情。
どうしても食べたくなった私は、バスで遠くまで足を延ばして「小豆」を探し回り、ついに見つけました!
場所は中華食材店。
日本の食材が近くにないなら、中華食材店ものぞいてみましょう。
日本を含めたアジア系食材も置いていることが多いです。
近年の世界的な「ヘルシーな和食ブーム」のおかげで、BIOショップ※や自然派スーパーなどに味噌や梅干し、昆布・わかめ・干しシイタケなども見かけるようになりました。※日本でいうオーガニックショップのこと
実は私、日本では小豆を煮たことがありません。ネットのレシピを見ながら、今では自作で水羊羹も作れるようになりました。
自分の食い意地のスゴさを実感!(笑)
アメリカには日本食材を扱うスーパーも多いですが、ヨーロッパではまだ限られるようです。
自分の足で見つけたり、ネットで作り方を検索して現地の食材で自作して気持ちを紛らわすのもおすすめです。
これまでとは違う興味や趣味ができるかも!と前向きにとらえてトライしてみてください。
思っていた生活と違った!現実とのギャップのつらさ
海外でイキイキと仕事して、現地の友人もできて充実した毎日!
少なからずどこかで、キラキラした理想の海外生活を期待しちゃいますよね。
でも実際は全然キラキラしていなくて、毎日大変で必死です。
言葉もわからない。知り合いも、友達もいない。頼る人がいない。つらい。
「こんなはずじゃなかった」時の対処法を見てみましょう。
「思っていた生活と違った」時の対処法
まずは、今の自分のがんばりを素直に認めましょう。
「よくこんな遠く、外国まで来たよ~」
「言葉も大して通じないのに、がんばってるよ~」
「新しいチャレンジ、よく決心したよな~」
本来、どれもスゴイことですよ!
ギャップでつらくなるのは「今がんばっている証拠」でもあります。
だいたい3か月もすればある程度生活にも慣れてくるので、現実感が出てきます。
生活で迷っても、仕事で悩んでも、今いる場所を楽しむ気持ちを持つことを心がけてみてください。
ピンチはチャンス!
悩んだ時や落ち込んだ時こそ、何か行動してみるのもネガティブな流れを「変える」きっかけになることもありますよ。
どうしても寂しい時には、日本の友人や家族にチャットや電話をかけたっていいのです。
実は私も英語が伝わらなくて、自分の不甲斐なさに泣きながら歌を歌って帰ったこともありました。
でも、それがあったから、新しいことにもチャレンジできたり、新たな友人を作るきっかけにもなりました。
どこでもあなたらしく!つらいのは慣れるまで!
海外でのつらかったこと、私の実体験や私が直接知っているお話を5つご紹介しました。
- 仕事の報連相がなくてつらいときは、報連相の効果を体験してもらう
- 日本人コミュニティが狭くてつらいときは、自分がどうしたいのか考える
- 言いたいことが伝わらないのがつらいときは、伝えようとする気持ちが大切
- 欲しいものが手に入らなくてつらいときは、あるもので代用する
- 思い描いた理想との違いがつらいときは、今の自分を認めてあげる
海外生活・海外赴任の経験がある方は共感できる部分があったかもしれませんし、違ったかもしれませんね。
そう、つらいことって人によって違いますよね。
でも、まずは落ち着いてください。
大丈夫、必ず慣れます!
海外生活の基本は「無理をしないこと」。
ストレスを少しでも減らすなら、現地の言葉を覚えることです。
これから海外赴任が控えている方や、「いつか海外生活をしよう」と思っている方は、今から準備しておきましょう。
英語は少しでも早くはじめた方が、結果的に早く話せるようになります。
もしオンライン英会話が初めてなら、レアジョブ・DMM英会話・ネイティブキャンプのどれかの無料体験から試してみてください。
もし自分に合わなかったとしても、この3社はオンライン英会話の大手なので、他社を選ぶ時の基準になります。
焦らず、今あるチャンスを楽しんでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
たなえりです