ネイティブの話すスピードだと、知っている単語でも聞き取れない……。
TOEICのリーディングパート、時間さえあれば内容は理解できるのに、解き終わらなくて点数が伸びない……。
こんな悩みを持つ読者さまがやるべき英語学習は、wpm (words per minutes:1分間に処理できる単語数)を上げることです!
たとえ日本語でも、国語のテストが最後まで終わらなかったり、早口で話されると聞き取れなかったりした経験はありませんか?
これは英語でも同じです。
語彙のインプットが一通りできたら、「ネイティブが読む・話すスピードに近づけていく=wpmを上げる」ことで、読者様の英会話レベルを間違いなくあがるでしょう。
外国人に話しかけられた時、理解できなくても愛想笑いをしてしまう読者様は、wpmの向上が必須です。
今でこそwpmは中学生の英語指導にも使用されていますが、すでに大人の私や読者様にとっては、あまりなじみがありませんよね。
日本人のwpmの平均はネイティブとどのくらい違うの?目安はどのくらい? など、wpmについては知らないことだらけ!
そこで今回は、英会話を格段に上達させる『wpm』について、詳しくご紹介します!
ネイティブの読む・話すスピードに近づくための英語勉強方法もお伝えしますね。
私も今、オンライン英会話を活用してスピーキングのwpmを上げることに注力しています!
wpmとは何?平均やネイティブが読む・話すスピードの目安は?
wpmとは「Words per minute」の頭文字を取ったものです。
もともとはモールス通信という電気通信にて、1分あたりに送受信する単語数として使用されていました。
英語学習においては「1分間に処理できる単語数」を表します。
スピーキングやリーディングの速度を表す指標として、英語教育の中でも使われるほどポピュラーなものになりました。
英語学習以外では、タイピングや手書きの速さなどを測る値としても利用されています。
英語のwpmの測り方
今の自分がどれくらいのスピーキング・リーディング速度なのか知るには、実際にwpmを計測してみましょう!
実はwpmは、簡単な計算で求めることができます。
wpm=単語数÷秒数×60
wpmは文章の難易度でも値が変わるので、何回か試して平均値を出してみると良いですよ。
「英語総合読解力測定メジャーさん」や「CHANGE Learning」というサイトでもwpmを測定できます(外部サイトにつながります)。
ネイティブスピーカーが読むスピードの目安
ネイティブスピーカーが読むスピードの目安は次のとおりです。
Grade 3(小学3年生) | 150wpm |
Grade 8(中学2年生) | 250wpm |
Collage students(大学生) | 450wpm |
Speed readers(速読者) | 1,500wpm |
1,500wpmは速読者であり、普通のネイティブの平均的なリーディング速度は300wpmほどだそうです。
ちなみに日本人の英語のリーディング速度の平均は、高校生が75wpm、大学生が80~100wpmと言われています。
恥を忍んで私のwpmを公表すると、195wpmでした。
ネイティブの中学生平均にも届いていない……。
代表的な英語のテストで必要なwpmの目安は次のように言われています。
TOEIC | 150wpm |
英検 | 120wpm |
大学入試共通テスト | 120~150wpm |
日本人の平均速度よりも高い数値です。
テストに合格するには、wpmを上げるトレーニングが必要だということがわかりますね。
ネイティブスピーカーが話すスピードの目安
ネイティブスピーカーが話すスピードの目安は、シチュエーションによってかなり幅があります。
一般的な会話 | 160~200wpm |
朗読・国際スピーチ | 150~160wpm |
オーディオブック | 150~160wpm |
CNN・ABCニュース | 180~190wpm |
オークショニア・解説者 | 250~400wpm |
一般的な会話速度は160〜200wpmと、ゆっくり話す人と早口な人でかなりの差がありますね!
TOEICのリスニングセクションの速さは150~160wpmほどなので、ゆっくり話すネイティブと同じくらいということになります。
私もTOEIC900ですが、ネイティブとの会話は聞き取れないことがよくあります。
しかし、オンライン英会話の発音トレーニングで、日常会話を楽しめるくらいには話せる・聞けるようになりました!
ネイティブの話すスピードに慣れたい中上級者は、ネイティブと話すことが一番です。
逆に英会話初心者には、ネイティブにこだわらず、優しい雰囲気で話を盛り上げてくれるフィリピン人の先生の方が合うかもしれませんね。
英検のスピーキングテスト対策をしたい方は、こちらの記事をご覧ください。
wpmを上げるには、とにかくアウトプットに重点を置いたトレーニングが必要です。
では、私も実践している、wpmを上げるためにおすすめの方法をご紹介します!
wpmをネイティブスピーカーの読む・話すスピードに近づけたい!方法は?
“This is a pen.”ならパッと見て読める・話せる・聞き取れるように、wpmはトレーニングでどんどん上達します。
練習を続けると、どんどん英会話が楽しくなりますよ!
ここでは、おすすめのwpmのトレーニング方法を3つご紹介しますね。
オンライン英会話で発音教材のレッスンを受ける
一番のおすすめは、やはりオンライン英会話で発音教材のレッスンを受けること。
単なる音読ではなく、速読、シャドーイングはもちろん、リンキングサウンド(Linking sound)まで細かく学べます。
Linking soundを知っていると「知っている単語なのに聞き取れなかった!」を格段に減らせます。
もちろん自分が読むスピードも格段に上がりますので、スピーキング・リーディング・リスニングすべてのwpmを同時に鍛えられますよ!
英語学習の目的がTOEICのスコアアップであっても、英検のスピーキングテストのためであっても、その先にある想いは「英会話ができるようになりたい」ですよね。
それには、断然オンライン英会話がおすすめです!
参考までに、wpmを上げるのに最適! 私がおこなっている『実践発音コース』を紹介しますね。
【たなえり体験談】オンライン英会話の実践発音コースの詳細を読む
(右の▼をクリックで表示します)
ネイティブキャンプの実践発音(中級)では、パソコン画面で4行分ほどの文章を正しい発音で、速く読む練習をします。
音読は、全部で5つの方法を用い、知らなかった単語でさえ最後にはスラスラと読めるようになるのです!
前回の復習
最初に、前レッスン時の文章を音読し、場合によっては発音を直されます。
レッスン同士の期間が短ければ上手に読めることが多いですが、ちょっと間が空いてしまうと読めなくなっていることもあります。
復習することでより記憶に定着させられるのですね。
1st challenge:自分なりに音読
その日の文章について、まずは自分の力で全体を音読します。
私は大体ぶっつけ本番ですが、事前に予習しておくことももちろん可能です。
読み終えると先生が発音を直してくれるので、ひとつずつ一緒に練習をします。
自分では読めると思ってる単語の発音を指摘されることもよくありますよ。
2nd challenge:一文ずつ真似る
お手本となるオーディオを一文ずつ聴き、真似します。
ひとつずつの文章は短いので、つながりや語尾の上がり下がりまで気をつけて読みます。
ネイティブ講師の場合は、先生も読んでくれることが多いです。
この時点で合計3回文章を読むので、文章が少しずつ頭に入っている感じがあります。
3rd challenge:文章全体を真似る
お手本のオーディオを通しで聴き、真似します。
このタイミングで講師からLinking soundを教えてもらいます。
ここまでくると1つひとつの単語はしっかり読めるようになってくるので、つながりを意識することでさらに流暢に読めるようになりますよ。
4th challenge:タイムトライアル
制限時間内に文章を読み終える、タイムトライアルです。
35秒、30秒、25秒と段階的に目標が設定されており、全部で3回チャレンジできます。
私の場合ですが、25秒はかなり真剣に読まないと達成できません。
(そしてそのスピードが、この次のシャドーイングにおけるネイティブのナチュラルスピードと同じくらいです……)
不思議なことに、ここまでくると、急いで読んでもつっかえることはほぼなくなるでしょう。
言いにくい単語や熟語を「言えた〜!」という達成感に浸れますよ。
5th challenge:シャドーイング
オーディオの声に合わせて、一緒に文章全体を読むトレーニングです。
先ほどもお伝えしたように、オーディオの音声はかなり早いです。
しかし、タイムトライアルの後なので、それなりについていけるようになっているのが不思議です。
復習
最後に、もう一度文章全体を『感情を込めて』読みます。
もちろんスピードは落ちますが、1st challengeと比べると格段にうまく読めるようになります。
発音レッスンですがベースが音読なので、文字を読む目の動きもうまくなっていると実感できますよ。
シャドーイング
『シャドーイング』は英語の音声を聞きながら、聞こえてきた英語を瞬時に真似るトレーニングです。
私はネイティブキャンプのレッスン内でやっていますが、音声教材さえあればひとりでも出来ますよ!
音声教材を利用したおすすめシャドーイング方法はこちらです。
- 英文(テキスト)を見ながら音声を聞く
- 音声に合わせて英文を音読する
- 英文は見ずに音声をシャドーイングする
- 音声のスピードで内容が理解できるまで、①~③を繰り返す
英文を見ずに聴こえた音声についていくレッスンは、リスニング力やスピーキング力が格段に鍛えられますよ。
wpmが150以上あるネイティブが話す教材で、シャドーイングの練習をするのが効果的と言われています!
まだシャドーイングに慣れていない段階では、オンライン英会話ではなく本と録音音声でシャドーイングを行うのもおすすめです。
ただしひとりでシャドーイングをする際の最大のデメリットは『発音を直してくれる人がいない』こと。
誤った発音で覚えてしまわないよう、シャドーイングの前に1つひとつの単語の発音を確認してくださいね。
多読
多読は、特にリーディングでのwpmアップに効果的なトレーニングです。
とにかくたくさんの英語の文章に触れることが大事なので、さまざまな英文を読んでみましょう。
絵本や好きな洋楽の歌詞など、自分にとってチャレンジしやすいものに取り組むのがポイント!
初めから難しいものにチャレンジすると続かないので、簡単だと感じられるものから試してみると良いですよ♪
それではここから、wpmを上げる多読の方法をご説明します。
なぞり読みをする
日本語と英語は文の構成が違います。
そのため日本人が英文を読むと、読み進めている途中で文頭から読み直すという「戻り読み」をしてしまいがち。
たしかに!
読み進めるうちに内容を確認したくて、つい読み戻しちゃうことあります。
戻ってしまうと、読むスピードが落ちます。
実際の会話では言葉を戻せませんから、そのまま理解していく『英語脳』に切り替えていきましょう!
戻り読みを防ぐ効果的な方法は、指やペンでなぞりながら読むことです。
- 読みやすい長さの文章を用意する
- 指でなぞりながら読み進める
- 一定のペースで読め進められるまで、繰り返しなぞり読みをする
初めはゆっくりでもいいので、とにかく戻らずに読み進める癖をつけましょう。
まずは知らない英単語でも立ち止まらないこと。
読みながら下線をつけ、全て終わった後に意味を調べましょう。
最初は読み慣れた文章からスタートしても構いません。
慣れてきたら、初めて見る英文にもチャレンジしていきましょう!
初めのうちは、同じ長文でなぞり読みの練習を繰り返すのが効果的です!
速さを意識して読む
多読に加えて、速さを意識して読むこと(速読)でwpmの伸びは著しくなります!
そこである程度多読に慣れてきたら、時間を計りながら読む練習をしましょう。
自分のリーディング速度が少しずつ上がっていくのがわかりますよ!
成長を感じると楽しくなってくるので、定期的に記録を残すのがおすすめです!
単語やイディオムを勉強する
戻り読みをしない多読では、わからない単語の意味を推測する力も身につきます。
しかし、知らない英単語を推測すると、その分読むスピードは遅くなります。
そのため、文中のわからなかった単語やイディオムは、1〜2度目を読み終えた後にきちんと確認をして覚えましょう。
例えば、以下の例文を読んでみてください。
She makes me happy. (彼女は私をハッピーにしてくれる。)
この英文の場合、makeには「〜する」という意味があるとわかっていれば、推測せずに読み進められますよね。
その日に読んだ文章の単語はすべてマスターする! くらいの気持ちでいきましょう。
覚えたての英単語をオンライン英会話でアウトプットすると、さらに定着しますよ〜!
wpmを鍛えて、ネイティブとの会話を楽しめるようになろう!
英語学習におけるwpmについてご紹介しました。
wpmが向上すると、読者様の英会話力はよりネイティブに近づけます!
- 英検やTOEICなどの資格試験で、最後まで解き終えられるようになる
- ネイティブが話すスピードでも聞き取れるようになる
- 「知っている単語なのに聞き取れない」という事態が減る
自分にあったレベルの英語教材を探す手助けにもなりますので、まずはぜひwpmを測ってみてくださいね!
- オンライン英会話の発音教材を使う
- シャドーイング
- 多読(なぞり読み、速さを意識して読む、単語・イディオムを勉強する)
このようなトレーニングで、ネイティブのナチュラルスピードに近づきましょう!
wpmが上がるほど、英会話がどんどん楽しくなりますよ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
たなえりです