海外赴任に選ばれる人は、社内での評価が高く優秀だからですか?
現地ではもちろん、帰国後も出世コースを歩めるんでしょうか?
ご自身はもちろん、ご家族に海外赴任の可能性がある方もいるでしょう。
そうなってくると気になるのが、出世や今後のキャリア。
実際のところ、出世が見込める優秀な社員だけが海外赴任の対象に選ばれるのでしょうか?
そこで本記事では、海外赴任に選ばれる人は「本当に優秀で勝ち組だと思われているのか」「出世できるのか」について、真相を深掘りしてみました!
私自身、駐在妻で夫の海外赴任に付き添っている状態です。
私の経験談や周囲の状況も踏まえて、リアルな情報をお伝えします!
これから海外赴任の可能性があって不安な方は、この記事の情報を参考に心の準備を整えておきましょう。
海外赴任に選ばれる人は勝ち組?世間一般のイメージは
海外赴任や海外駐在員と聞くと、以下のようなイメージを持つ方も多いでしょう。
- 社内での評価が高く優秀
- 外国語がペラペラでスマート
- 出世コースを歩むエリート
- 給料が高そう
なんだかかっこいいイメージがありますよね。
ところで、海外赴任に行く駐在員って具体的にはどんな人を示すのでしょうか?
参考として、海外駐在員の種類や定義を載せておきます。
【海外駐在員とは?】
海外転勤で一時的に海外へ移住している会社員を示す。
どんな職種であっても、会社の命令で日本から海外に転勤した場合は「海外駐在員」。
自分の意思で海外へ就職した人は「現地採用職員」と言われており、駐在員とは区別される。
実は「海外駐在員」と「現地採用職員」にはびっくりするほど待遇の違いがあるんです……。
たとえば、日本の企業から赴任を命じられた「海外駐在員」には、給料や待遇の面でさまざまなメリットがあります。
一方「現地採用職員」には、海外駐在員に付与されるような手当は基本的にありません。
世間の勝ち組なイメージと、実際の海外生活者では大きく異なることも。
同じ日本人として一緒に働いていても、現地での立場や役職によって、生活環境や待遇が違うことも珍しくありません。
海外赴任者として選ばれるのは優秀だから?出世できるって本当?
日本で海外赴任を命じられた人は海外駐在員に当てはまるとお伝えしました。
そこで、ここから本題です。
海外赴任を依頼される人は「優秀だから」選ばれるのでしょうか?
海外赴任に選ばれる背景や出世できるパターン・出世できないパターンを詳しく解説します!
海外赴任に選ばれる理由とは?
海外赴任を会社側から依頼される理由には、以下が挙げられることが多いでしょう。
【海外赴任を依頼する理由】
- 若手社員の研修や育成をしたい
- 中堅社員は現地での即戦力となるため、現場をまとめるリーダーになってほしい
- ベテラン社員には、海外で経営者層として活躍してほしい
- 本当は行かせたくないけど現地の状況がよくないため、早急に人員を手配したい
20代〜30代の社員なら、会社に貢献してくれる人材に育ってほしいといった期待も込めて、研修目的で海外赴任を命じる場合があります。
30代〜40代程度の中堅社員は、現地でリーダーとして動ける人材を見込まれている可能性が高いでしょう。
自分の業務はもちろん、現地の従業員や部下のケアもできそうだと評価されているんですね。
40代以上のベテラン社員ともなると、国内でも管理職ポジションに就いている人が多く、現地でも管理職や経営者として活躍してほしいと依頼されるケースが多いようです。
一方で、ネガティブな事情から海外赴任に選ばれる場合もあります。
たとえば、社会情勢の変化などで現地従業員の採用が厳しくなってきたり、リモートワークが思ったより普及していなかったりするときです。
日本から上手に指示出しや運営補助ができないと、リモート環境下で円滑に運営するのは難しいかもしれません。
そこで、即戦力として動ける人材をとにかく増やして、早急な改善をおこなう際に海外赴任を命じられることがあります。
デジタル化がすすんでも、現場では導入が難しい部分もあるのかもしれませんね。
海外赴任し出世できるケース
会社が海外赴任を命じる理由はさまざまです。
しかし「こんなパターンで海外赴任できれば出世できるかも」とされているケースがあります。
【出世につながりやすい赴任パターン】
- 社内の評価制度に「海外赴任」「駐在員」が含まれているとき
- 短期間での帰国が決まっているとき
- 渡航や滞在に高い費用がかかる先進国へ赴任するとき
- これから成長が見込まれる新興国へ赴任するとき
- スタートアップ企業で海外赴任が決まったとき
帰国後の活躍を見込んで、1〜3年程度での赴任&評価対象であることを提示しているなら、出世のチャンスは大です!
また、会社が今後拠点を増やそうと考えている国や地域への赴任が命じられるときも、出世できる可能性が高いといえます。
海外赴任しても出世できないパターン
一方で、海外赴任後に出世するのが難しいパターンもあります。
【出世できない海外赴任パターン】
- 海外赴任が社内の人事評価制度の対象とならないとき
- 国内・海外双方で異動や転勤が多いとき
- 駐在期間が10年以上と長期になるとき
海外で経験を積めても、会社の人事評価に海外赴任が含まれていない場合は、残念ながら国内勤務と同じ扱いになってしまいます。
また、国内でも国外でもやたらと部署異動がある場合は、「都合の良い人材」として捉えられているかもしれません。
「新しい現場で不要になったら、別の現場へ」と会社都合でただただ海外赴任を命じられていたケースも実はあります……。
上司からの評価や信頼を獲得する前にすぐ異動となると、正直なところキャリアアップは厳しいですね。
そして長い間日本を離れていると、帰国後のポジションがないパターンもあります。
そのまま海外で昇進できれば問題ありません。
しかし、帰国後のポストを用意するつもりのない会社の場合、同じ立場のまま海外駐在員として長期間勤務させることもあるでしょう。
海外赴任を命じられて海外駐在員になるメリット4つ
出世の有無にかかわらず、海外赴任したり、海外駐在員になったりするとたくさんのメリットを得られます。
ここでは、代表的な4つのメリットをチェックしておきましょう。
ハイレベルなマネジメント能力が身につく
海外赴任中は現地でリーダーポジションを任されるケースも多いため、チームをまとめられるマネージャースキルが身につきます。
特に、海外で言葉や文化の異なる現地スタッフとコミュニケーションを取ったり指導したりするのは、そう簡単にできる経験ではありません。
現地で円滑に仕事を進めるには、信頼してもらうのが必須!
リーダーとして信頼を集められた経験は、日本でも必ず役立ちます。
日本でマネジメントをするより難しい環境で人や仕事の管理をした苦しい経験は、自分にとっても大きな自信につながるでしょう。
こちらの記事では、現地スタッフとのコミュニケーションの難しさや乗り越えた方法をお伝えしています。
グローバルに人脈を増やせる
海外の勤務では、新しい人脈が作れます。
日本人の価値観や文化などに関心の高い外国人は多く、なかには日本でビジネス展開を考えている人もいるでしょう。
さまざまな場面で積極的に現地の人と交流すれば、人脈が増えるだけでなくキャリアアップにもつながるかもしれません。
今まで出会ってこなかったタイプの人とも知り合えて楽しいですよ♪
海外赴任中の夫に、ビジネスの話が舞い込んできたことも実際にあります。
また、海外で働くことによって国際的なコミュニケーション感覚も身につけられるでしょう。
日本とはまったく違う文化や価値観を持った環境で働くと、予想もつかない困難にぶつかることもあります。
たとえば、ちょっとした会話で自分の意見が伝わらず落ち込んでしまうことも……。
しかし、現地で自分の意見をわかりやすく伝えられるようになれば、言語の壁にとらわれないコミュニケーション力や人脈力が手に入ります!
おすすめの書籍を置いておきますね。
日本人が海外で最高の仕事をする方法 ― スキルよりも大切なもの
海外で現地に溶け込み楽しみながら成功する方法が、著者:糸木公廣さんの海外赴任体験から語られています。
失敗や挫折を乗り越え、最高な仕事をするためのコツ、現地でのコミュニケーションに悩んでいる時のヒントになりますよ。
経営者層とコミュニケーションが取りやすく出世に有利
海外赴任中は、現地での様子や仕事の報告を上司にします。
その際には、国内にいる経営者層が会議に同席していたり、現地に赴いてくれたりして対応してくれるケースが多いでしょう。
日本にいたらなかなか会話する機会のない上層部のメンバーとやり取りできるのは、大きなメリットです。
こんなチャンスがもらえることもありますよ。
・上層部に直接評価されて、帰国後に出世できる
・上司の出世に合わせて、チームの主要メンバーに選ばれる
現地にいる間、リーダーポジションの上司や上層部と話す機会があるなら、積極的に会話しておくのが得策です!
福利厚生や収入面で優遇されやすい
海外への転勤が命じられると、会社から特別手当が出る場合もあります。
たとえば、こんな手当が支給されるかもしれません。
- 危険地域での勤務に対する危険手当
- 住宅・家賃手当
- 一時帰国時の渡航費
- 家族手当や療育費
- メイドやドライバーの雇用費用
- 医療手当
- 語学学習手当 など
会社によっては、メイドやドライバーを雇うことが義務になっているケースもあります。
家事や通勤を補助してもらえるうえに、その費用まで出してくれるってすごいですよね!
もちろん上記の手当は必ずしも支給されるとは限りません。
社内の経営状況によっては、日本と変わらない給与になる場合もあり得ます。
それでも、円滑に海外生活を送れるよう手厚いサポートが付いてくる会社のほうが多いといえるでしょう。
海外赴任に行くデメリットは?3つの注意点をチェック!
海外赴任に行くことで得られるメリットもある一方、デメリットも存在します。
知っておきたい注意点をここでは解説しますね!
指示待ち思考だと柔軟に仕事ができない
日本では、詳細なマニュアルの配布や研修を受けてから仕事を始められることが多いですが、海外では日本ほど丁寧な指導を受けられません。
「自分から積極的に学ぶ」が基本です!
そのため、教えてもらうスタンスで勤務すると苦労します。
指示待ちタイプの人だと、仕事の進め方をうまく聞き出せずに落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
海外では、仕事をやりながら覚え、うまくいかなかったら改善する姿勢が大切です。
帰国後の出世を目標とする以前に、まずは海外赴任中から評価を高められるような働き方を意識しましょう。
「自分の意見をしっかりと伝える」「わからないことはすぐに質問する」など、自分から率先して動けるとGoodです!
せっかくの海外赴任で思うように活躍できず、帰国後に「窓際族」なんてことのないよう気をつけましょう。
現地の環境に慣れないと文化のギャップに耐えられなくなる
日本とは異なる文化や言語・価値観の中で生活する海外赴任は、想像以上にストレスとなるものです。
自分では大丈夫だと思っても、知らないうちに気を遣って疲弊してしまっていることも……。
そうなると、自然に日本人コミュニティへ依存してしまう人も少なくありません。
つらい環境や気持ちを理解してくれる日本の友人は、大きな支えになってくれます。
しかし反対に、現地の人との交流を減らす要因にもなってしまうんです。
日本人同士の飲み会はほどほどに、現地の人とも交流して、心のバランスを保つ努力をしましょう。
家族に負担がかかる
海外赴任に家族を連れて行く場合は、家族に負担をかけてしまうかもしれません。
妻や夫には日本での仕事を辞めてもらったり、休職してもらったりする必要がありますし、子どもは転校が必要です。
日本に家族を置いていく場合でも、好きなタイミングで一時帰国するのが難しかったり、赴任期間が延びてしまったりとなかなか予定を組めないこともあります。
大切なイベントや親戚の集まりにも顔を出せず、悲しい思いをさせてしまうかもしれません。
そのため家族がいる人の海外赴任は、自分だけの問題ではないことを理解したうえで話し合いながら決めるのが大切です。
以下の記事では、家族の手続きについて詳細に解説しています。
家族のことでお悩みなら、こちらもお読みください。
出世できる優秀な海外駐在員になるために必要な4つのステップ
出世が見込める海外赴任にするために、今からやっておくべきことを4つ紹介します!
どれも取り組んでおいて損はありませんので、ぜひやってみてくださいね。
今後のキャリアプランを立てておく
海外赴任は、長いキャリアの一部に過ぎません。
そのため「自分が会社で何をしたいのか」「どんな人になりたいのか」を明確にしておかないと、帰国後にどうやって働いたらよいかがわからなくなってしまいます。
誰しも環境が変わると目の前のことについ必死になってしまいますよね。
しかし、海外赴任経験を今後に活かすためには、先のプランを考えておくのが重要です。
今後のキャリアや人生設計ができていれば、帰国後の面談や転職時にも自信を持ってアピールでき、出世につながりやすくなりますよ。
国内で十分な実績や経験を積んでおく
海外赴任に選ばれて出世できる人の特徴として、「国内での評価が高い」ことも挙げられます。
すでに社内で十分な評価を得ている人なら、帰国後はさらに高いポジションを目指せるでしょう。
そこで、日本にいるうちから人事評価を高めておくために、以下を意識してみてはいかがでしょうか?
- 会社にとって役立つ資格取得や専門分野の勉強をする
- 積極的に部下の指導やマネジメントをする
- 指示が出る前から行動する
- 担当部署以外のことも学ぼうとする
海外駐在員は、幅広い知識や判断力が求められます。
現地でも活躍できる人材だとアピールできるような行動を、日頃から取っておくのが得策です。
コミュニケーション力を磨いておく
海外では、現地の従業員と円滑に仕事を進めなくてはなりません。
言葉や文化が違っても、きちんと意思疎通してチームを回していく能力が必要です。
そこで、国内で働いているうちからコミュニケーションスキルを高めておきましょう。
コミュニケーション力を高めるには、こんな方法がありますよ。
- 日頃から人の話をよく聞く
- 自分からあいさつや雑談をする
- いろんな考えや価値観を学ぶ
まずは話しやすい同僚との会話から始めて、慣れてきたら上司や他部署のメンバー、異業種交流会など、話す相手を次第に広げていきましょう。
人と話す能力が高ければ、現地でも帰国後も活躍できる可能性が高まります。
語学力を高める
海外生活に欠かせないのが「語学力」です。
語学力がビジネスレベルになればなるほど、現地でも暮らしやすく、社内での評価も上がります。
たとえば、英語力を示す指標として「TOEIC」がありますね。
会社によっては、800~900点以上の高得点を評価対象としてるケースもあります。
社会人が仕事と勉強を両立させるには、スキマ時間の有効活用がカギです!
TOEIC対策をしたい方には、スタディサプリENGLISHがおすすめです。
- 豊富な演習問題と動画講義がアプリ1つに集約
- 1回3分!スキマ時間に学習できる
テストよりも英会話力が心配な方はTALKING Marathon®(トーキングマラソン)がおすすめです。
トーキングマラソンは、英語のベストセラー教材「キクタン」をもとに開発された発話トレーニングアプリです。
- アプリ相手に話すから恥ずかしくない
- 予約も通学も不要。マイペースで学習できる
- 1日5分から。必要なのはスマホだけ
2週間無料でお試しできるので、気になる方はチェックしてみてください。
海外赴任で優秀な実績を積んで出世できるかは本人次第!
この記事では、海外赴任に選ばれる人は優秀で本当に出世できるのかについて、駐在妻の視点から解説しました。
- 海外赴任に選ばれる人は優秀なイメージがあるが、実際にはそうでないパターンもある
- 海外赴任を命じられる理由には、良いものも悪いものもある
- 帰国後に出世コースを目指すなら、事前の準備や実績づくりが大切!
- 語学力やコミュニケーション力をアップすると、出世に有利!
「海外赴任に行ったら勝ち組」「将来出世できるだろう」と安易に考えていると、出世できなかったときにキャリアプランが大きく崩れてしまいます。
確実に出世するために、今からできることに全力で取り組んでおきましょう。
特に海外生活で必須となる語学力は、日本で働いている今からでも休日や休憩時間を活用して高められますよ。
時間は有限です!
思い立ったときに即行動できる人が成功をつかみます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
たなえりです